なのはな隊が行く!~ごま油編~
松本製油のごま油は、「玉締め搾り」という昔ながらの製法で作られています。
「玉締め搾り」は、江戸時代から続く伝統製法を動力式にしたものです。
原料に余計な熱や圧力をかけず精製もしないので酸化しにくく、香りや風味はそのまま残り、琥珀色の油になります。
良質なオリーブ油と同様、原油をろ過しただけの焙煎油(バージン・オイル)です。
(450g入りと180g入りがあります)
玉締め搾りで作っているメーカーは日本中でも少数で、シェアは1%未満と言われています。
【寺崎さん(写真)談】
弊社の製造工程では、プラスチック製品への不安から、昔ながらの木製の桶や竹製のざるを使っています。
高度経済成長期に公害等の問題が出てきたのは、様々なものが大量生産になったことも原因ではないでしょうか。
書店を営んでいた先代は、伝統製法のごま油が
廃れるのを心配し、昭和23(1948)年に松本製油を創業しました。
私たちは、この昔ながらの製法のごま油を後世に残していきたいと考えています。そのためには、このごま油を天ぷら屋など一部の店だけではなく、一般家庭にこそ使ってほしいと思います。
ごま油ができるまで、数日かかります。
❶ごまを煎る
選別したごまを煎ります。開放釜を使うことで、焙煎状態を常にチェックでき、余分な水分や臭いも逃がすことができます。
夏場は40度にもなる大変な作業です。
❷油を搾る
すりつぶしたごまを蒸し、木綿のマットに入れて玉締めの機械にセットします。
❸濾過(ろか)
フィルターを通した後、手漉き和紙から作った筒で丸1日かけて濾過します。紙を貼りあわせる糊はご飯粒から作られ、筒も糊もすべて社長の奥様の手作りです。
市販品との違いは?
一般には、スクリュープレスという方法で大量のごまを短時間で処理します。玉締めの5倍以上の圧力がかかるので摩擦熱が発生し、焦げが出るために色も濃くなり、変質しやすくなります。
そのため精製という工程が必要になりますが、精製時に薬品を使っても、表示義務はありません。