1月31日に千葉地裁で行われた「原発被害者集団訴訟」結審日の様子です。

(※原発避難者集団訴訟とは…2011・3・11の東京電力福島第一原発事故により千葉県には、福島から3,000人以上の方々が避難しています。その内の18世帯47名の方々が原告となり、被害の完全賠償を求めて国と東京電力に対して集団訴訟に踏み切りました。
なのはな生協ではこの裁判に注目し、福島原発事故を風化させない、福島の現状を知り、支援するために傍聴をし続けています。)

午前中には千葉県弁護士会館にて決起集会が行われました。

弁護団長の福武弁護士からは、20年におよぶ旧もんじゅ訴訟に関わったお話や、「国策民営」で進められてきた原発推進事業についての見解が述べられました。


関連各団体も駆けつけていました。
弁護団の滝沢事務局長からは決議文が読み上げられ、満場一致で採択されました。

 

 

 

門前集会では、なのはな生協の涌井常務から、集会に集まった方々へ向けてお話しをさせていただきました。

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なのはな生協では福島第一原発事故以降は以前にも増して、生協活動と原発は相容れないものとし、様々な活動をしてまいりました。この活動を支えてきたものは東京電力との損害賠償請求の訴訟にあると考えます。福島には米を中心に多くの生産者がいます。事故後は日に日に売り上げが落ちていきました。そうした中、東電から「売り上げが落ちているなら、生産者を変えればいいのではないか」という一言に、生協の基本であり、生産者と長きに渡り大切に築き上げた「顔の見える関係」を否定されました。裁判で闘う事と併行して生協では「原発事故を風化させない」「福島を孤立させない」「原発事故を他人事としない」を目的に活動を継続してきました。

 昨年の職員研修では40名が南相馬市から国道6号線を南下し、帰宅困難地域を視察しました。初めて現地に入り、警告音のなるサーベメーターの数値やフレコンバックの山を見て、原発事故の恐ろしさを目の当たりにした職員からは、「5年も経過しているのにもかかわらず、まさにゴーストタウンだ。」「これで人が住めるようになるのか。」などの言葉があがりました。

 この裁判で、裁判官の現地視察が実現出来なかった事が残念でなりません。実現すれば私たち同様に原発事故の被害を肌で感じることが出来たのではないかと思います。

 国は、避難者への賠償・支援を打ち切り、住民の帰還を進めようとしています。「年間20ミリシーベルト」という解除の基準も、あまりに高すぎ、住民の意向が意思決定に反映されていない帰還政策です。そもそも非常事態宣言のところに住民を帰そうとすることがおかしいと思います。

 福島に何度も訪問し、沢山の被害者の方と出会い、話しをしてきました。福島県と他県、生産者と消費者、避難区域とそうでない地域、帰還者と帰らない人、家族間など様々な分断がありました。出会う方それぞれ、被害の内容は違いました。一人一人に寄り添った補償が必要なことがわかりました。

加害者が被害者に損害を補償するのは当たり前の事です。東京電力、国に責任をしっかりと取らせることが脱原発に繋がる事になります。出来る限り、この裁判に協力し、ともに頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします。

 

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その後、裁判所前を行進し、

集まった人々の激励の拍手の中、原告団は法廷へ向かいました。

この裁判の判決は、9月22日14:00~千葉地方裁判所202号法廷で下される予定です。