第一回口頭弁論報告
傍聴席から溢れる支援者
1月27日千葉地方裁判所603法廷にて、なのはな生協損害賠償請求裁判の第一回口頭弁論が行われました。傍聴には多くの支援者が集い傍聴席には入れきれず、廊下で待つ支援者もいました。

【加瀬理事長が陳述】
意見陳述で加瀬理事長は設立以来、組合員の期待に応えるために、どこよりも安全な食べ物を供給し、安心して利用していただくことを目標に事業活動を行ってきた。「安全と安心」を成し得たのは、組合員である消費者と生産者がお互いに顔の見える関係を大切にしながら協力し合い信頼関係を築き上げてきたからにほかなりません。それを、「国で安全基準が設けられているので安全が担保されている」や「商品が売れないのであれば仕入先(生産者)を変更するなどの回避策を講ぜよ」とは容認できないばかりか怒りすら覚える。また、「生協の検査結果が検出限界未満となっており、ただ、不安解消の為に実施しているだけ」と言っているが、誰が不安を与えているのか東京電力は自覚すべきである。本来ならば、放射能をまき散らした東京電力が責任をもって放射能検査を行い、安全を確認すべきであると考えますと陳述しました。

【東電は全面的に争う姿勢】
それに対し東京電力側は答弁書で「因果関係があることは確認できない」などとして全面的に争う姿勢を見せました。
裁判所からは確認事項として
①中間指針の取扱いについて
中間指針に規定があるものについては、中間指針を前提に、その釈明の適用ということで進めてよいか。
②原告の業種について
中間指針による場合は、原告の業種は流通業であるという主張になるのか。
③営業損害について
営業損害は、品目も計算方法も被告が示したものについて請求しているということだが、どこで折り合いがつかずに裁判になったのか。
④放射能検査について
中間指針によるかどうかはともかくとして、検査を行わなければいけなかったきっかけ、検査を行った目的、検査の方法、対象品目について補充してほしい。などの確認事項があり次回までに補充書面を提出する事になりました。

口頭弁論後の報告会では、傍聴頂いた組合員や生産者、県内の生協などからは今後も支援の力を強めていきたいなどの声が上がり、最後に岩崎専務理事より、「本日お集まりいただいた皆様、そして支援していただいている皆様の力をお借りして弁護団と共に戦っていきます」との力強い言葉がありました。

≪事故が起きても分からないのか?分かろうとしないのか?≫
なのはな生活協同組合は、10月30日に弁護団長の福武公子先生を講師にお迎えし講演会を開催いたしました。福武先生は「これ以上の放射能被害の発生を防ぐためにも、原発も再稼働もやめさせるべきです。原発事故は明らかに人災なので、東京電力や政府の責任を追及し、徹底して賠償させる必要があります。
福井県の高速増殖炉は、文殊菩薩が文殊の智慧で猛獣の獅子を抑え込むということから【もんじゅ】と名付けられましたが、もんじゅの智慧で原発は制御できるのでしょうか?
日本が“科学立国”というのは人間のおごりではないでしょうか?
私はもんじゅ裁判を通して、皆、事故が起きなければわからないのか、事故が起きてもわからないのか、それともわかろうとしないのか、と思いました。私たち一人ひとりが、そのような人たちにわかってもらえるような行動をおこすことが大事だと考えます」と話されました。