9月23日(水)に行われる福島原発損害賠償請求千葉訴訟第二陣控訴審のお知らせです。
※福島原発損害賠償請求千葉訴訟…なのはな生協ではこの裁判に注目し、福島原発事故を風化させないため、福島の現状を知り支援するために傍聴を続けています。

福島原発千葉訴訟第二陣これまでの裁判の経緯

福島原発千葉訴訟第二陣(控訴審)は,福島第一原発事故によって千葉県に避難された6世帯17名の方々が,国と東京電力に対して損害賠償責任を求めている裁判です。

平成31年3月14日,千葉地方裁判所民事第5部は,国の責任を否定する判決を言い渡しました。
その理由ですが,津波により全交流電源喪失をもたらす浸水が生じることの予見可能性を認めつつも,
①その予測の確度は必ずしも高いとはいえないこと,
②地震対策の優先度が高く,平成19年7月に新潟中越沖地震が発生し,耐震性の問題がクローズアップされたこと,
③規制権限の行使には専門技術的判断が認められることから,津波対策より地震対策を優先させた判断が不合理ではない,というものでした。

しかし,群馬,福島,京都,東京,横浜,松山,札幌の各地裁判決では,いずれも国の責任が認められており,国の責任を認める流れが大勢を占めております。
また,千葉地裁民事第5部は,避難継続の合理性について,
㋐緊急時避難準備区域旧居住者に関し,平成24年8月末を超えて避難を継続した場合でも個別事情に応じて避難継続の合理性を肯定すると判示し,一審原告の個別事情を踏まえて平成25年3月末日まで避難の合理性を認め,
㋑自主的避難等対象区域旧居住者に関し,一定の場合は避難の合理性が認められると判示し,各一審原告の個別事情を考慮して,平成24年12月末日(又は平成23年4月6日)まで避難の合理性を認めました。

千葉地裁民事第5部は,これまでの賠償基準の不十分さを認め,これを超えた損害賠償を命じました。

しかし,認定した避難の継続の期間・損害額いずれも,原発被害者の被害実態に即した十分なものとは言い難いものです。

現在,福島原発千葉訴訟第二陣の審理は,千葉地裁から,東京高等裁判所第16民事部へ移りました。控訴審第1回口頭弁論期日において,一審原告ご本人の意見陳述等を行い,東京高裁の裁判官に対し,一審原告ご本人の声を直接届けました。控訴審では,原発被害者の方々が受けた現実の被害の大きさについて,東京高裁の裁判官にも十分理解していただけるよう,さらなる主張,立証を行い,慰謝料の増額とともに,必ず国の責任を認めさせ,被害の完全回復に向けて実態に即した全面的な賠償を実現させたいと考えます。