原発被害者相双の会 國分富夫会長からメッセージが届きましたので、掲載します。

 

3・11 原発をなくし平和な日本をまもる皆さまへ

福島原発事故から8年が経ちますが廃炉作業は一向に進まないが、如何にも順調に進んでいるような報告と宣伝である。

強制避難から復興第一主義的に被害者の声も聴かずに一方的に解除し、半強制的に帰還促進をしてきていますが、解除された地域の帰還率は非常に低く殆ど高齢者の帰還となっている。
小中学校も再開されたが児童生徒が少なく来年度には廃校になる学校も出てきている。
今年4月からは解除された地域住民への住宅補償、仮設もなくなり行き場のない被害者が出てきます。
そんな中で孤独死、自死者が後を絶ちません。
その対策もせずに復興促進なのである。国民の「命と健康」を第一に考えるのが当り前であるが、「帰るも自由、帰らぬも自由、強制はしません」という。
これが我が日本だったのです。

そして私たちは日に日に増大する除染土壌を詰めたフレンコンバックの山に囲まれています。
「仮置場3年、中間貯蔵施設へ30年、その後は福島県外への最終処分場へ」と言う約束はどうなったのでしょうか。
しかも環境省は、保管施設がないので、放射性物質の濃度が一定の基準を下回った除染土壌を全国の公共事業、道路や防潮堤などの建設資材として再利用しようと企んでいます。
放射能で汚染された除染土壌の再利用として盛り土を築き放射線量などを確認する実証事業を、福島県南相馬市の常磐高速道の四車線化の盛り土から始めようとしています。
これは福島県民を実験台にするようなものです。
3月7日には環境省の説明がありましたがマスコミをも入れない秘密裏であります。
当然地元では反対運動が起きています。
実証事業では、廃棄物1000立方メートルを使って実際に盛り土を築いた上で、周囲の放射線量の測定や大雨などの災害による土の流出対策などを行い、再生利用の「安全性について確認」したと言いくるめて全国各地に拡散するのです。
私たちを実験台にして「安全」と強弁する国の態度をゆるすことはできません。

放射性物質に汚染された除染土壌を全国に拡散することは、原発事故被害を隠ぺいし、国と東電を免罪することです。

私たち原発事故被害者は放射能を全国に拡散したくありません。
良識ある全国の皆さまと四季折々の美しい日本と後世を守るために闘い続けましょう。

2019年3月11日
原発被害者相双の会  國分富夫