11月5日、千葉弁護士会館で行われた「6.17最高裁判決をくつがえし、2陣勝利を目指す、千葉集会」の模様です。

6.17の最高裁判決は厳しいものとなりましたが、その後の東電株主訴訟では東電旧経営陣に対し、東京地裁の判決で13兆円余りの損害賠償が命じられています。そこで示された新たな証拠が千葉原発訴訟第2陣の勝利への突破口になるのではと期待されています。

6.17判決の問題点について解説する滝沢弁護士
6.17判決の克服方針について語る海渡弁護士

質疑応答では、今後の展開についてなどの質問がありました。

なのはな生協からは、涌井副理事長による発言がありました。全文を掲載します。


第2陣の勝利に向けて

なのはな生協では原発事故を風化させないために福島視察を何度も行っています。つい約1月ほど前にも避難解除されたばかりの双葉町行ってきました。新しくなった綺麗な庁舎や駅舎にはひと気がなく、駅の自転車置き場には11年前に乗り捨てられたさび付いた自転車が並んでいました。それが余計にさみしさを感じさせました。双葉町が解除となり、対外的には11年余り続いてきた東京電力福島第1原発事故による全町避難が解消されたと報道され、あたかも復興が進んでいるような印象を持たせています。しかし実際には帰還する人が少なく、とても復興と呼べる状況ではありません。

年間20ミリシーベルト以下での帰還政策による避難指示解除、避難者への各支援の打ち切り、トリチウム汚染水の海洋放出、除染土の県内公共工事等の使用、甲状腺がん患者の増加など政府をはじめとした行政と東電は福島県民を裏切り続けてきました。現在も原発が危険な状態で建っており、避難地域であった放射線量の高いところに、特定復興再生拠点区域(復興拠点)をつくり、生活インフラが不十分なまま帰還を促し、復興したという体裁を整えようとしています。

法律で2044年までに除染土を福島県外で保管しなければならないのだが、その場所も決まってはおらず、もちろん取り出したデブリもどこに保管するのかも決まっていません。「このまま福島で」と決まってしまうことを多くの福島県民が危惧しています。

原発事故がもたらした様々な惨禍を忘れ、現在は福島だけの問題と矮小化しているように感じます。最高裁では原発事故は想定外の災害が原因で起こったので仕方がないという判決で、とても許されるものではありません。今の福島の状況を見れば原発は想定外のことでも事故を起こしてはいけないことが分かります。想定外という言葉で済ませてはいけない問題です。

原油高、ウクライナ危機を背景に原発事故がもたらした終わりの見えない惨禍を無視し、実効性のない避難計画とともに再稼働を加速しようとしています。避難計画も11年間も避難するとは想定していないはずです。なのはな生協では第1陣、第2陣の裁判傍聴や署名活動など様々な形で一緒に活動してまいりました。「二度と原発事故を起こしてはいけない」これは11年前の福島原発事故での国民みんなの共通の認識です。事故防止には原発を稼働しないのが一番です。司法の場で、東京電力、そして国にしっかりと責任をとらせることが脱原発に繋がるのだと思います。今後も組合員さんとともにこの活動を継続してまいります。ともに頑張りましょう。