福島原発千葉訴訟第二陣第9回口頭弁論期日のお知らせです。

※福島原発損害賠償請求千葉訴訟…なのはな生協ではこの裁判に注目し、福島原発事故を風化させないため、福島の現状を知り支援するために傍聴を続けています。

2022年3月9日(水)14:00~東京高等裁判所1階101号法廷

当日のスケジュール
■13:20頃 抽選券交付開始
 @東京高裁1階正門付近「2番交付所」
■13:40頃 抽選券交付締切、傍聴券交付
   @東京高裁1階正門付近「2番交付所」
※現時点での予定です。新型コロナウイルス感染拡大状況によって、抽選券交付時間が変動する可能性もございますので、ご了承ください。
■14:00頃 控訴審第9回口頭弁論開始
 @東京高裁101号法廷
※新型コロナウイルス感染対策の観点から、会場を利用した報告集会は予定しておりません。

今回の裁判のみどころは?
弁護団は、第9回口頭弁論期日において、2002年8月の保安院対応(保安院において、「長期評価」の津波地震の想定につき、福島第一原発の津波防護に関して具体的な対策を基礎付けるものとしては考慮する必要はないと判断)が、原子炉施設の安全規制の任にあたる規制庁又は公務員の対応として目に余るずさんなものであり、津波に対する予見義務を果たしたものとは到底評価できないこと等を記載した準備書面を、提出する予定です。弁護団は、当日、法廷において、可能な限り提出した準備書面の要旨を、口頭で、ご説明いたします

福島原発千葉訴訟第二陣 これまでの裁判の経緯


福島原発千葉訴訟第二陣(控訴審)は,福島第一原発事故によって千葉県に避難された6世帯17名の方々が,国と東京電力に対して損害賠償責任を求めている裁判です。
平成31年3月14日, 千葉地方裁判所民事第5部は,国の責任を否定する判決を言い渡しました。
その理由ですが, 津波により全交流電源喪失をもたらす浸水が生じることの予見可能性を認めつつも,
①その予測の確度は必ずしも 高いとはいえないこと,
②地震対策の優先度が高く,平成19年7月に新潟中越沖地震が発生し,耐震性の問題が クローズアップされたこと,
③規制権限の行使には専門技術的判断が認められることから,津波対策より地震対策を優先させた判断が不合理ではない,というものでした。

しかし,令和2年9月30日における仙台高裁判決は,高裁として初めて国の責任に関する判断をし、国の責任を明確に認めました。
そして,本年2月19日における東京高裁(第22民事部)判決も,国の責任を否定した千葉地裁判決を破棄し,東京高裁として初めて、国の責任を認め,断罪しました。

また,千葉地裁民事第5部は,避難継続の合理性について,ア:緊急時避難準備区域旧居住者に関し,平成24年8月末を超えて避難を継続した場合でも個別事情に応じて避難継続の合理性を肯定すると判示し、一審原告の個別事情を踏まえて平成25年3月末日まで避難の合理性を認め,イ:自主的避難等対象区域旧居住者に関し,一定の場合 は避難の合理性が認められると判示し,各一審原告の個別事情を考慮して,平成24年12月末日(又は平成23年4月6日)まで避難の合理性を認めました。
千葉地裁民事第5部は,これまでの賠償基準の不十分さを認め,これを超えた損害賠償を命じました。

しかし,認定した避難の継続の期間・損害額いずれも,原発被害者の被害実態に即した十分なものとは言い難いものです。

現在,福島原発千葉訴訟第二陣の審理は,千葉地裁から,東京高等裁判所第16民事部へ移りました。
控訴審第1回口頭弁論期日において,一審原告ご本人の意見陳述等を行い,東京高裁の裁判官に対し,一審原告ご本人の声を直接届けました。
控訴審第2回・第3回口頭弁論期日において,国の責任に関するプレゼンテーションを, 第4回 口頭弁論期日において,低線量被ばくの健康リスク・リスク認知論・中間指針等の損害に関するプレゼンテーショ ンを,法廷で実施しました。
第5回口頭弁論期日以降,提出した準備書面の要旨を,法廷で説明しております。
控訴審では,原発被害者の方々が受けた現実の被害の大きさについて,東京高等裁判所の裁判官にも十分理解していただけるよう,さらなる主張,立証を行い、慰謝料の増額とともに,必ず国の責任を認めさせ,被害の完全回復に向けて実態に即した全面的な賠償を実現させたいと考えます。