先日(9/18)に千葉市生涯学習センター行われた、千葉県生協連主催の公開学習会「プラゴミ問題と消費者の行動を考える」に参加しました。
一般社団法人JEAN副代表理事・事務局長の小島あずさ氏に、
「プラスチックによる海洋汚染 ~私たちにできること~」と題して、講演していただきました。
JEAN(Japan Environmental Action Network)は、海洋ごみ問題解決に向けて、情報共有・対策推進・広報など様々な活動を行っている団体です。
http://www.jean.jp/
最初に、
・海洋ごみは漂流してくるものなので、目の前のゴミを拾えば済む問題ではない
・海外から流れてくるだけでなく、日本も沢山出している
・太平洋側は人口が多くてゴミが大量発生するにもかかわらず、海に流れて見えにくい。
それに対して、人口が少ない日本海側はゴミが漂着しやすいのに、回収の担い手が少なくて困っている
等の問題を出され、私たちの一般的な認識と異なっている状況が理解できました。
現状として、
・昔から海や河川にゴミはあったが、近年プラスチックの普及により急増し、プラの長所(=変化・分解しにくい)が短所(=環境中に残る)となっている。
・例えば漁獲用の網は、昔の天然繊維製と異なり、軽くて手入れが簡単などの理由で広く使われている化学繊維製の網が漂流して、漁師が不在の「ゴーストフィッシング」として魚を獲り続けている。
・深海のマリアナ海溝にもレジ袋が存在する
・エサと間違えて親鳥も雛鳥もプラゴミを体内に取り込んでいる
・使い捨て容器包装プラスチック使用量世界1位のアメリカ(45㎏/1人/1年)と2位の日本(32㎏/1人/1年)が共に海洋プラスチック憲章に署名していない
など、様々な衝撃の事実が報告されました。
・西表島や知床でゴミが散乱している様子
・ポリ袋を食べて腸閉塞になった亀の腸
・漁業用の網にひっかかった動物
・海洋生物や海鳥の体内から見つかったペットボトル、洗剤のキャップ、スティックのり、サインペン等
・プラゴミと認識しにくい人工芝の破片
の写真も紹介されました。
小島氏は、
プラスチック全てが悪いわけではなく、災害時や医療現場などではプラスチック製品に頼らざるを得ないことをふまえたうえで、
私たちにできることは、いまあるゴミを
「拾えるうちに」「破片化する前に」「海に再流出する前に」「被害が出る前に」
回収すること。
また、東京農工大の高田秀重教授の調査で、海鳥の体内から見つかったマイクロプラスチックのごみを体重50㎏の人間に換算すると60gに相当すると紹介し、
「海洋ゴミを増やさないために、当事者意識を持ってほしい。一人ひとりが行動を変え、社会の仕組みも変えていくことが重要」と言われ、
最後に、「どんな海を残したいですか?」と参加者に投げかけて、講演を締めくくられました。
なのはな生協としても、この学習会をきっかけとして、プラごみ削減推進に向けて取り組んでいきたいと考えています。