なのはな生協

蒲鉾の八木橋見学会

  2月13日(金)なのはな生協の練り製品を生産しています「蒲鉾の八木橋」へ見学に行きました。

場所はのどかな街並みが今もなお残り、埼玉県にほど近い醤油の街、千葉県野田市にあります。

八木橋の特徴は何と言っても素材の良さと伝統の技。原料となる魚は国産の近海魚で、その季節に応じて一番美味しい旬の魚を複数ブレンドし魚本来の旨みを最大限に活かした作りをしています。現代では安価な輸入物の冷凍すり身を使用するのが一般的ですが、ここでは生の魚を捌く所から始まります。

この時にも魚の鮮度や脂の乗り具合・身質を見極め、その後の擂りの工程を調整するのに重要な作業だと生産者の八木さんは言います。擂り作業も今では効率化や量産化の為に電動カッターを使用している蒲鉾屋が多い中、魚の旨みと食感、鮮度を落とさないよう昔ながらの石臼で擂り潰してすり身にします。

その後に加える調味料も厳選素材ばかりで塩はミネラル分が豊富な天然塩、みりんは国産原料のみを使用した天然醸造みりんや北海道産天然昆布だし、でん粉も北海道産馬鈴薯でん粉を使用するこだわりようです。 市販では化学調味料や保存料などの多くの添加物を使用しますが、まさに無添加での作りを徹底しています。

そしてここからが匠の技の真骨頂ともいうべき成形という工程です。「付け包丁」と呼ばれる歯のない包丁や「せっかい」という木のへらと木型などを使いひとつひとつ丁寧に手で成形していたのですが、そのスピードや形の均一さは熟練した技術を感じました。

その後は商品に応じて加熱工程へと進みますが、当日作っていたさつま揚げは非遺伝子組み換えの菜種油を使用しているとの事でした。

最後に揚げたてを試食させて頂きましたが魚の旨みが凝縮されて素材がしっかりと活きた味と感じたことのないふんわりとした食感がとても印象的でした。

今では大量生産や原料コストを落とし利益追求型の時代ですが、後世にもこの技術と味を伝えていきたいとする八木さんの考えに感動すると同時に、本物の職人の技を目の当たりにした一日でした。

組織部職員 登坂