3月27日、衆議院第一議員会館で行われた「3連続原発賠償判決・院内集会」の模様です。
3月15日京都地裁、16日東京地裁、22日福島地裁いわき支部で相次いで原発賠償訴訟の判決が言い渡されました。
3つの判決の報告、今後の取り組みについての集会です。

集会の最後には集会決議が宣言されました。

宣 言
言語に絶する苦難に耐え、闘い続けてきた福島原発事故の被害者は、事故発生から 8年目を迎えた今、新たな判決を勝ち取りました。
2月8日小高に生きる訴訟、3月 15 日京都訴訟、16日東京訴訟、22日福島原発避難者訴訟。
昨年の群馬、千葉、生業(なりわい)訴訟に続く闘いの結晶です。

「7つの判決は、いくつかの問題点を残しながらも、何の落ち度もない人々の暮らし とふるさと、生きがいを奪った原発事故の底知れない被害の一端を認定し、この大惨事が国と東京電力によって引き起こされたことを断罪しました。

「京都、東京判決は、群馬、生業判決と同様、国の不作為による法的責任を明確に断罪し、国の避難指示区域域外からの避難の合理性も認めました。
また、避難者訴訟の 福島地裁いわき支部判決は、原告が被った被害の実相を詳細に認定したうえ、小高に 生きる判決、千葉判決に続いて「ふるさと喪失慰謝料」の支払いを命じました。

一方、いずれの判決も賠償額が被害の実体から程遠い水準にとどまったことは、被害者に大きな失望感を与えました。
その根底には、「裁判所の判断」と言いながら事実上、原子力損害賠償紛争審査会の中間指針に引きずられていること、放射線被害に 対する認識の甘さがあることなどがあげられ、克服されるべき課題も浮き彫りになりました。
避難者訴訟に対するいわき支部の判決は、こう指摘しています。

「事故発生前は、山、川、海、野原、田畑などの自然の景観や季節の移り変わりを 楽しみ、山歩きや山登りをしたり、きのこ、たけのこ、山菜などを採取したりし、 家庭菜園では野菜などを栽培し、野原や田畑では子供が虫取りをするなどして、豊 かな自然を享受していた。
しかし、本件事故発生後(中略)原告らの故郷であった地域の様子は大きく様変わりし、原告らの多くは精神的なよりどころを失った」
ふるさとを破壊し、穏やかに生きる日常を、生業を奪い、先の見えない苦境に追い込んだ国と東京電力の責任が、疑問の余地なく指弾されたのです。

それにもかかわらず、国と東京電力の取っている対応はどうでしょう。
群馬訴訟控訴審をはじめ、各地の訴訟では津波は予見出来ず原発事故は回避出来なかったなどという「破たんした論理」を振りかざし、被害者との対話も拒否する構えを崩さず、一方では原発の再稼働を進めています。
被害者の人権は踏みにじられたままです。
法治国家であるならば、民主主義国家であるならば、ありえない事態です。

本日、この集会に結集した私たちは、大いなる怒りを込めて、国と東京電力が、原発事故を引き起こした事実と責任を認めて謝罪し、直ちに被害者との話し合いのテーブルに着くこと、 幾十万に及ぶ人々の現在と将来の被害、破壊され、踏みにじられた人権を回復する具体的な措置を、速やかに講じることを求めます。
私たちは、二度とこのような事故を起こさせず、被害が完全に賠償されるまで闘いぬくことを、ここに宣言します。
2018年3月27日
福島原発被害訴訟連続判決3・27院内報告集会参加者一同

 

 


 

明日3月29日は千葉地裁で「原発被害者集団訴訟第二陣 第13回口頭弁論期日」の日です。