第二回口頭弁論
中間指針に拘束力なし!
2月5日に第二回損害賠償請求口頭弁論が開かれました。
口頭弁論では原告団の弁護士が中間指針は損害の範囲を決めるものではないこと、なのはな生協の独自性、低線量被曝と放射能対策費用の支出について、逸失利益及び脱退組合員のコストについて意見陳述を行いました。
裁判所からは
1.平成23年3月11日~平成23年8月31日までの期間において肉と魚については前年の同対象期間と比べて減少していない為、損害を受けたとの理由がわからない。営業損害の算定根拠を補充説明してほしい。
2、有機野菜なら作っている農家が限られているだろうから代替可能性がないことがわかりやすいが、肉、魚、乳製品については代替性がないとの理由がわからないから特別な事情があるならば説明をしてほしい。
3、平成24年3月分まで損害賠償請求しているが、その時まで風評被害が続いているとの証明をしてほしいと要請があり次回に陳述することになりました。
その後の報告集会では、傍聴に参加した生産者・取引先・組合員・消費者団体・県内外の生活協同組合が集まりました。
冒頭に弁護団事務局長を務の秋元弁護士より、今までの概略が説明され、参加者からは次のような発言がありました。
≪ふくしま東和有機農業研究会 会長 佐藤佐市さん≫
私達も損害賠償請求をしていますが、東電は中間指針を盾に抵抗しています。なのはな生協は自分たちと同じ状況の為、自分の事と同じように考えています。
≪内田農園 内田美津江さん≫
子どもが大学を卒業して一緒に手伝ってくれていますが、事故があって出荷量が減ってしまいました。
他の生産者では無農薬をやめて一般栽培に戻った人もいます。
農業は土づくりが第一で環境を整えることを考えていないといけないと思っています。日ごろの農作業で手一杯ということもあります。裁判については知人にも伝えて関心を持って貰えればと考えています。
≪(株)丸和食品 常務執行役員 戸村利弥さん≫
私達も請求を行っているが、段々と東電の対応が横柄になり冷たくなっています。
この裁判絶対に負けて欲しくないですし、当然勝つと思っています。生産者を変えろとか国が検査しているから安全とかとんでもないことを東電は言っています。こんなことが通るようじゃ駄目だと思います。責任を明らかにしないと。
裁判長は意味が解っているのか?と思いました。中間指針、中間指針と言っているがあくまでも中間の指針であって、拘束力はないと今日秋元弁護士の話を聞いてわかりました。
裁判所としては独立性を持ってきちんとやって頂きたい。是非、頑張って貰いたい。負けられない裁判です。
≪あいコープふくしま 理事 角田かよ子さん≫
私達は震災の後、いち早く安全な食品を確保したり食品の放射能測定をしたりしてきました。現在は体の中に入った放射能を測定しようとしています。
私達も東電へ請求していますが、震災後何も知らずに水道の水をもらうために小さい子供を連れて放射線の高い中、外で長蛇の列に並んでしまったり、避難をしなければいけない状況になり組合員が500名ぐらい避難していき営業利益も減少してしまいました。営業利益については賠償して貰えましたが、その間、危険にさらされた精神的な賠償はして貰えませんでした。
震災後、なのはな生協さんがいち早く駆けつけてくれ、本当に勇気づけられました。
そういう中で私たちは福島県全員で避難することは無理だと考え、福島で生きていくしかないよねと決めました。だったらどうすればよいか組合員全員で考えて、ホールボディーカウンターの導入を決めました。ホールボディーカウンターの設置について組合員の中には測る必要がないのではとの声もあります。ですが私たちは自分たちで測定して今後の為にデータを残していきたい、そして子供たちが安心してお嫁に行けるようにしてあげたいと考えました。測定して安心して対処していこうとしています。
≪参加した組合員の声≫
東電側の主張で納得できないのは放射能を気にしているのを非常識のように言われている事。
今は自分でお金を出して食品を測定するところがあるぐらいです。小売店でも測定を行っているところもあります。ですから一般に測定して欲しいとの事実があるということを理解して欲しい。なのはな生協の主張を納得させられるようにしていただきたい。
最後に弁護団長の福武弁護士は
「裁判を起こさない人たちと起こす人たちの間にかなり大きな閾値があります。これは国民性なのかなと思います。たとえば喧嘩沙汰、人情沙汰と並んで、裁判沙汰とかの言い方をしますが裁判を起こす人達を、まだ白い目で見るような風潮があるのかなと思います」と話されました。