2011(平成 23) 年 3月の東京電力福島第一原子力発電所事故のため、福島県浪江町津島地区 (95.5km2 約450世帯・1,400人)は高濃度の放射能汚染のため全域が帰還困難区域とされ、地区内の一部 (1.53 km2 僅か 1.6%) で特定復興再生拠点整備事業が進められていますが、地区全体の除染計画も示されないまま既に10年を超え、地区住民はいつ帰れるか目途も立たないまま現在に至っています。
このため、地区住民はふるさと津島を自らの手に取り戻そうと、原告団(住民の半数、約700名)を結成して2015(平成27)年9月に福島地裁郡山支部に提訴し、国・東電の法的責任を問い、原発事故以前と同様に平穏な日常生活が送れるよう放射能汚染からの環境の回復(原状回復 = ふるさとを返せ)と損害賠償を求めて闘い、2021(令和3)年7月に判決が下されました。
判決は、原発事故の重大性・甚大性を真 正面から受け止め、国・東電の原発事故に係る責任を明確に認めて断罪しました。
また、地区の自然や歴史、人々のつながりなど、ふるさと津島とその暮らし、及び原発事故による過酷な被害を具体的かつ詳細に事実を認定し損害賠償を命じました。
しかし、原状回復の悲願が却下され、損害賠償額も低い水準に抑えられた原審判決を克服するため、仙台高裁に控訴しました。
美しいふるさとの国土、住民が紡いだ歴史や民俗、なによりそこで暮らす地域住民の生活そのものが奪われ、廃村・棄民を強いられるような事態を決して許してはなりません。
健康被害を防ぎ、これからの社会を担う若い世代を守り、地域社会を次世代に継承するためにも、同様の事故を再び引き起こし、 同じ苦しみを繰り返す様なことがあってはなりません。
そのためにも、是非皆様のご理解、ご支援を心からお願い申し上げます。
ついては、別紙公正判決を求める署名簿にご署名くださいますようお願い致します。