なのはな生協の様々な活動を理解し、脱原発の思いを共有するため、2月18日~19日、役職員研修会を行い、40人で浜岡原発を視察しました。
1日目は、増田勝氏(浜岡原発を止めよう静岡ネットワーク)に案内をしていただきました。原子力館の展望台からは、原発が街の近くに建設されていることがわかりました。また、原発マネーによる公共施設の充実ぶり、何よりも危険なのは東海地震の想定震源域にあること、などの説明を受けました。海岸線から見ると、原発が砂丘の上に建設されている様子がわかりその危険性から東日本大震災の時に政府が稼働を停止させたのも当然と確信しました。
続いて、海渡雄一弁護士を講師に、「原発は大地震に耐えられるのか?」をテーマに学習しました。多くの原発は大地震に耐えられる様な十分な対策をとっていないこと、福島第一原発への津波が事前に予測できていたこと、数々の原発訴訟の判決の矛盾点などを解説していただきました。
2日目、小田原に場所を移し、鈴廣かまぼこ代表取締役副社長の鈴木悌介氏(エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議代表理事)に、「なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか?」というテーマで講演をしていただきました。再生可能エネルギーで地産地消を目指し、原発に頼らない地域づくりの活動についてお聞きしました。本当の豊かさとは? 命をものさしにした経済とは? 等々、色々な角度から地域経済や地域社会の大切さを解説していただきました。
脱原発に向け、生協として何をすべきかを考えさせられた研修になりました。
➣浜岡原発・原子力館の視察と増田氏の話から
展望台から目と鼻の先に住宅地が見えたことに驚いた。
半径2km圏内に市役所や病院もあること、東海地震の想定震源域のほぼ中央にあること、日本の大動脈である東海道新幹線や東名高速にも近いなどの立地からすると、再稼働させない為に声を上げていく必要性を感じました。
青木弘和
原発から市街地までの距離が近いことに驚きました。事故が起きたら病院、役所が機能しなくなることはもちろん、防波壁の厚さが薄いことに、津波が来た時に本当に防げるのか? 浜岡原発の安全性に疑問を持ちました。
大地震が来る確率が高いと分かっている中、「想定外の事故」で済まさないためにも廃炉が必須であると思いました。
中村 大介
➣海渡弁護士のお話を聞いて
津波対策をとるように指示されていたにもかかわらず怠っていた、隠された真実に驚いた。
原発事故は津波だけではなく火山の影響もあるので、安全な原発なんて無い。
日本は、無責任な国になってしまったように思います。
宮本 純平
公平でなければならない裁判が、 政府からの圧力、報道規制など、国の操作の元に行われている現状に憤りを感じるとともに、安全軽視・利益優先の国の考え方に不安を覚えました。
国民の安全を第一優先しなければならない国が、経済面でしか原発を考えていない事を知り、自分達一人一人が原発反対の声を上げなければならないと感じました。
登坂 愉隆
➣鈴木氏の話を聞いて
食を扱う仕事ながら、エネルギーや環境問題に関しても考えていて、なのはな生協の活動と似ているところがあり、非常に参考になりました。
原発の廃炉は重要ですが、 新しいエネルギー供給のことを考えていく事も重要だと感じました。
齋藤大輔
原発はないほうが、健全な地域づくりと持続可能な経済が可能と分かりました。また、小田原市の再生可能エネルギー事業の取組みや考え方が全国に広がれば良いと感じました。
外国から買っているエネルギーを少しでも国内でまかない、地方創生に役立てていく事が重要だと感じました。
鈴木 和生
➣研修会を終えて
脱原発に向けて私達がしなければならない事を改めて考えてみた。
まず知る事。原発の危険性、取り返しのつかない事故、電力会社がやってきた事、そして今なお苦しんでいる多くの人達の事。
次に反対する意思を表す事。運動に参加する、署名する、勇気ある裁判長やジャーナリストが頑張った時には評価し応援する。そして発信する事。
知り得た事実を周りの人に伝え仲間を増やしていきたい。私達の声が大きな渦となって国や電力会社を呑み込むまで。
川口恭子
3月13日(月)エリアリーダーと役員が一堂に会し、エリア会、組合員活動について2016年度の総括と2017年度に向けての話し合いを行いました。
総括では、4つのグループに分け、目標である「食の安全と安心を組合員と共に守る」をエリア会を通して、地域の組合員さんに伝えることをどのようにして行っていたのか、また苦労した点、改善点などが活発な話し合いになりました。
その中で「自主的に自分達で楽しみながらやっています」「いろいろな気づきがありました」などの意見がありました。
来年度の目標「人の命とくらしを守るために持続可能な社会の実現を目指す」を組合員さんに浸透させるために、エリアとして何ができるのかを議論していただきました。
意見交換の後、各グループの発表となり、生協への要望や活発なエリア活動のために何をすべきか等、活発な意見が出されました。
「食の安全・安心を守ることが結果的に人の命を守るということを意識してなのはな生協の良さを広める活動をしていく」「日本国憲法や原発、沖縄基地問題等の平和の勉強会を継続し、エリアでも広げていくために自分達でも勉強していく」「エリア会で生協の理念や商品の良さを一緒に考えていく」等、多くの意見がありました。
現在、安保法制、自由貿易協定で輸入食品が増大される等の様々な変化が予想され、基本理念である「人の命とくらしを守る」のに厳しい状況と考えます。
生協の役職員、組合員、そして生産者と力を合わせ、活動していくことが大切です。
そのためにはお互いに理解し合わなければなりません。
生産者との顔の見える関係を深める生協まつり、生産者訪問、交流会等を充実させる、農業体験を通して食の大切さを学びぶ機会を増やす、料理講習会ではの商品のこだわり、美味しさを伝えます。
今後も生協、組合員、生産者が協力し、なのはな生協らしい組合員活動を行って大きな輪にしていきたいと考えます。
2017年度、なのはな生協の組合員活動は、組合員さんに商品を通して食の安全性、大切さ、生産環境の素晴らしさを伝えると同時に、生産や消費が持続可能な社会を築くためにどうすれば良いのかを組合員さんとともに考え、活動をしたいと考えています。
エリア会は組合員さんの自主的な活動です。
自分達で楽しみながらやっていますという意見が多く、いろいろな気づきがあります。
組合員さんならどなたでもスタッフが出来ますのでイベント参加のおりには気軽に声をかけていただければと思います。
福島原発訴訟
ご協力ありがとうございました。
合計1,332筆を福島原発訴訟
原告団に送付しました。
江戸前の誇りがつくる本物の味
遠忠食品株式会社 代表取締役 宮島一晃
⦿佃煮製造のこだわりと特徴
遠忠食品は、日本橋で大正2年に創業した佃煮メーカーで、私で3代目となります。
原料素材にこだわり、昔ながらの製造方法を伝承しながら、商品の安全性、美味しさ、持続可能な漁業を支えようと日々努力しております。
こだわりは3つ。
まずは原料素材のこだわり。
可能な限り国産素材の原料を使用しております。
現在、国産原料は、水産、農産を問わず年々確保が困難な状況になっておりますが、生産者と直接
向き合い、顔の見える関係を築きながら仕入れています。
そして、調味原料のこだわりです。
化学調味料をはじめ合成添加物を使用しない調味原料を使用しております。
近藤醸造の醤油、鹿児島の粗糖、発酵調味料は「味の母」と、なのはな生協ではお馴染みの調味料です。
本物を使うと味に違いがでます。
最後に製造方法のこだわり。
遠忠食品では、創業以来の製造方法である直火釜で佃煮を製造しております。
醤油の香りが素材にのり、ふっくらとした仕上がりで、食欲をそそられる味となります。
⦿漁師に海苔を「つくってもらっている」
環境保護活動を積極的に行っています。
高度成長期の工業廃水、生活排水などで東京湾が汚染され、漁業権を放棄する漁師が増えました。
獲る人が少なくなり、原料がなくなれば商売にならなくなります。
湾の再生と持続可能な漁業は切っても切れません。沿岸に住む者が、東京湾で獲れたものを食べる地産地消の循環型産業が持続可能な産業を生み出します。
『仕入れてやる』ではなく『つくってもらう』という気持ち、漁師を買い支える意識が湾の環境と漁師の生産環境を良くしていくと考えます。
⦿職人の技が光る直火釜
遠忠食品の特徴の直火釜は家庭のガスコンロと原理的には同じです。
炎で鍋を加熱するため温度管理が難しいと言われます。
香ばしさがでる反面、目が離せず、職人は釜に付きっきりです。
作業が難しいので職人の育成が課題です。
今の職人は、前任者の下に5年張り付かせ、体で覚えてもらいました。
このような伝統的な方法は残していくべきだと思います。
これが昔から続く遠忠食品の味ですから…。
⦿大量生産品との違いは一目瞭然
事務所でちょっとした実験をしました。
二つの瓶に遠忠食品の佃煮と、近所で買った大量生産品をそれぞれ同量入れ、お湯を注ぎます。
撹拌してしばらく置くと、大量生産品に対して、遠忠食品の佃煮は沈殿物が多く、海苔が多く使われていることが解ります。
大量生産品がいけないというつもりはなく、海苔の量が全く違うことを理解していただきたいと思います。
価格の安い市販のものを食べて、これが佃煮だと思われてしまうのは佃煮屋として悲しいことです。
⦿今ある課題
一番の問題は、佃煮を知らない子どもが増えてきたことだと思います。
パン食に移行し、お米を食べる食生活が減り、佃煮を食べる機会が減少したと考えます。
最近はマルシェに参加し、大量生産での商品との違い、素材の生産状況や産地、合成添加物・化学調味料を使用していない事などの会話をしながら食べたことのないお子様に積極的に試食をしていただいています。
食べ物は聞いただけでは解りません。
実際に食べてみるのが一番です。
佃煮は日本人の心に訴える味だと考えます。
遠忠の佃煮は美味しいだけではなく、飽きません。
江戸前の誇りがつくる本物の味を守り伝えていきたいと思います。
世界に誇れる加工技術
株式会社蒲鉾の八木橋 代表取締役 八木竜太郎
⦿練り製品は伝統食品
魚をすり身にして加工する練り製品は、900年以上も前から日本で食されてきた伝統食品です。
高タンパクで低カロリー。
まさに栄養的にも優れたすばらしい食品なのですが・・・。
その国内生産量は、現在では約40年前の半分の50万トンになってしまいました。
食文化は時代とともに変化し、その消費も変わっていきますが、私たち「かまぼこ屋」にとっては大変悲しいことです。
先般、生産者交流会に伺いましたが、参加者の多くが、練り製品は、「添加物が入っている(多い)」「塩分が多い」「混ぜ物が気になる」など負のイメージをお持ちの方が多いようです。
しかし、練り製品は長い歴史があり、形ある魚を、まったく違う形に作り替える。
世界に誇れる加工技術です。
組合員の皆様に、是非とも練り製品のすばらしさをお伝えしなくてはいけないと思っております。
⦿手作りにこだわる
近年は工業化などにより、なかなか自然の味に出会う機会が少ないのは事実です。
また、生の魚から練り製品を作る手作り技術の継承もできなくなって来ています。
そのような中、八木橋では、昔ながらの製法を今に伝えるべく、日々精進しております。
冷凍の魚肉すり身だけでなく、自社で魚をさばき、その身の塩梅を手で感じ、製品へと仕上げていく。
私どもからすれば、ごく普通ですが、現在ではこのような製法、製品もめずらしくなってきているのかもしれません。
⦿原料(魚)の配合が味の秘訣
原料の魚は、つみれ用の「いわし」「あじ」、さつまあげ用の「タラ」「ワラズカ」、はんぺん用の「サメ」など、水揚げや季節などで違い、年間通じて20種近くになります。
その使い方は、魚の特徴や製品に合わせて様々。
まさしくこの配合こそが味の秘訣です。
魚肉に加えるのは天然素材のみ(平釜塩、砂糖、みりん、馬鈴薯でん粉、根昆布のだしなど)で余計なものは使用せず、丹念にすり上げていきます。
できたすり身は、自分の腕一つで、包丁や型を使って成型します。成型はまさしく職人技の極みです。
生産者交流会で成型をご披露すると、皆様から驚きの声を頂戴します。
そして、皆様に供給している商品は、すべて愛情を込めて1つずつ手作りしていることをお伝えします。
現在は、原料となる魚の資源量の減少など、我々「かまぼこ屋」を取り巻く環境はますます厳しくなっています。
10年前は普通に仕入れられた魚が今ではまったく獲れない、魚価が高くてとても皆様に供給できる値段では作れないなど、昨今の時の変遷は非常に早く感じます。
しかし、そのような中でも八木橋では、組合員の皆様に、昔ながらの変わらぬ製品とその思いを供給していきたいと考えております。
⦿練り製品は万能食材
「練り製品はあまり食べない」、「何か入っているような気がして・・・」などと思っていた組合員様には、是非ともおいしい練り製品をお召しあがりいただければと思います。
魚の旨み、香りが活きた八木橋の練り製品は素朴ですが、まさしくお魚を食べているようです。
また、練り製品はそのままでもよし、刻んで料理に加えても、旨みが活きるまさしく万能の食材です。
是非いろいろな料理へ利用してみてください。その一品においしさを添えること間違いなしです。
福島の被災者との連帯を強化する必要があります。
私達は7人で「原発の再稼働反対」「被災者を切り捨てるな」「子どもを守れ」「原発はいらない」と大きな声で意思表示してきました。
上映会「太陽の蓋」
もりんぴあこうづ
5月20日(土)
田植え体験
こうざき自然塾
6月24日(土)
上映会「高江―森が泣いている2」
千葉市生涯学習センター