なのはな生活協同組合
国の助成を受けて開発されたゲノム編集トマトが、昨年9月、パイオニアエコサイエンス(株)から販売され始めました。それに先立ち、昨年春には4000人の市民ボランティアに苗が配られました。
同社は、今年から福祉施設に、2023年には小学校に苗を無償提供して、子どもたちがこのトマトを育てるようにしていきたい、と言っています。
ゲノム編集とは? 問題点は?
生物に元々備わっている遺伝子を一部破壊して、 特定の性質をもつ作物や生物を生み出す技術です。
ゲノム編集された作物、食品、家畜に与える影響や、健康への影響は未知数です。
食用では、予期しない毒素やアレルゲンが生成されたり、既存の毒素やアレルゲンのレベルが変化したりする可能性があります。
なぜ日本で急速に広まっているのか!?
EUでは、ゲノム編集を遺伝子組み換えと同等に規制していく予定です。
一方、米国ではトランプ前大統領が、ゲノム編集生物の規制のない流通をめざす方針を打ち出し、ゲノム編集食品推進を各国に求めると、日本政府の取り組みは加速しました。
そして、2019年10月、日本政府はゲノム編集生物を届け出だけで表示なしでの流通を認めます。
現在、トマトに次いで、マダイやトラフグも市場化の段階に入っています。
植物以外のゲノム編集食品が流通しているのは日本だけです。
ゲノム編集トマトって安全なの!?
ゲノム編集トマトは長期的な健康障害について、まったく調べられていません。
小学校へ配付され収穫されれば、子どもたちの口に入ることは、ほぼ確実でしょう。
健康への影響が不明なものを子どもに食べさせることには、不安を感じざるを得ません。
安全性や環境への影響がわからないまま流通しているゲノム編集食品。
学校や施設に配られて、知らない間に子どもたちが口にしてもいいのでしょうか?
「ゲノム編集トマトの苗を小学校に無償提供する計画の撤回を求める署名」に、
ご協力お願いします!!
ゲノム編集トマトの苗を受け取らないよう、
千葉県の全自治体と東京都の配達区域の自治体へ、要望書を提出します!
≪要望書全文≫
貴自治体の教育施設において、
ゲノム編集トマトの種苗を受け取らないでください
パイオニアエコサイエンス社は、ゲノム編集トマト「シシリアンルージュ ハイギャバ」の種苗を、2023年に教育施設へ無償配布する計画を発表しました。
ゲノム編集技術は、特定の標的遺伝子を破壊して行う生命の改造です。標的以外の様々な遺伝子を破壊してしまう「オフターゲット」現象がしばしば起きますし、標的の遺伝子を破壊できても、その「オンターゲット(遺伝子への連続攻撃)」による染色体破砕など、新たな問題が明らかになってきています。無差別な遺伝子の破壊により、新たな毒性やアレルゲン、がん誘発物質の発生が危惧されます。
遺伝子は生命活動の基本であり、全体が連関しており、壊してよい遺伝子などありません。
また、ゲノム編集が行われたことを確認するための抗生物質耐性遺伝子も含まれているため、抗生物質耐性菌が増える危険があります。遺伝子組み換え食品と同等もしくは、それ以上の危険性を指摘する研究者もいます。
ゲノム編集技術の開放系(実験室外)への放出と食品応用には本来、厳格な検査と規制が必要です。にもかかわらず日本政府は、環境影響評価や食品としての安全性審査、表示も義務づけていません。一方で、特許は認められるので、遺伝子組み換えと同様に種苗等を独占する企業に莫大な利益をもたらします。一般圃場で栽培すれば、花粉などの飛散が起こり、農家の栽培種と交雑するなど、環境への深刻な影響も心配されています。トマト農家などへの風評被害も懸念されます。
ゲノム編集トマト「シシリアンルージュ ハイギャバ」に関しても、環境への影響を評価する試験や、食品としての安全性を確認する試験が行われていません。自然や生物の健康へ影響を与えてしまうことを強く懸念する消費者団体、農民団体、食の安心安全を求める NGO は、同トマトをはじめゲノム編集された生物放出と食品の栽培、流通に強く反対しています。被害が生じてからでは、取り返しのつかないことになってしまいます。安全性に疑問があるという理由でゲノム編集トマトを使用しないという食品メーカーも出てきています。
安全性が確認されていない食品を子どもたちに食べさせることは、許されません。別添資料『ゲノム編集-神話と現実』をご参照いただき、安全性に強い疑念のあるゲノム編集トマト「シシリアンルージュ ハイギャバ」の種苗を貴自治体内の教育施設が受け取らないことを強く要望いたします。