4月25日(月)なのはな生活協同組合理事会に於いて、川内原子力発電所1号機・2号機の即時停止を求める事を決議し、要請書を内閣総理大臣、九州電力、原子力規制委員会へ提出いたしました。

 

「川内原子力発電所1号機・2号機の即時停止を求める要請書」

 

2016年4月25日
なのはな生活協同組合理事会

14日夜9時26分、熊本県益城町を震源とする震度7(マグニチュード6.5)の大地震が発生しました。余震が続く中、再び16日深夜1時25分、南阿蘇町を震源とする震度6強(マグニチュード7.3)の地震が襲い、凄まじい被害となりました。

鉄道も道路も空路もマヒし避難どころではありませんでした。数多くの余震がある中、九州電力は川内原発1号機、2 号機について異常が確認されないとして通常運転を継続しています。万が一、原発事故が起きれば、現在の状況では、住民の避難や安全確保が非常に困難であるばかりでなく、新規制基準審査の際に計画した緊急時の物資、設備、人員の運搬確保も困難です。福島では、原発事故により避難している最中に住民に放射能が襲いかかり、被ばくを強いられることになりました。

大規模な地震が近隣地域で頻発する中、阿蘇山等の火山活動活発化も懸念されており、住民の不安も増大しています。

川内原発では、再稼働に際し当初約束していた免震重要棟の建設計画を撤回するなど大規模な地震災害への対策には多くの不安を残したまま稼働しているにもかかわらず、菅義偉内閣官房長官は16日に「停止する理由はない」と述べました。九州電力と政府が、未だ計り知れない地震発生状況を過小評価し、万が一の危険を想定して防ごうとしない態度に怒りさえ覚えます。

問題は、多くの人たちが強い地震が連続し今後どのような展開をみせるか専門家ですら断言できないような状況の中で、継続される川内原発の運転に大きな不安を感じているという点にあります。

日本列島には列島を横断する中央構造線という大きな活断層があり、川内原発はその南端に位置しています。直近では原子規制委員会田中俊一委員長がこの懸念を打ち消すような発言もされましたが、東京電力福島第一原発事故を通して、私たちは人間の予測や対策をはるかに超える大規模自然災害が発生しうること、またそれが原発とその周辺自治体へ及ぼす影響の大きさを学びました。

原発事故を起こさないためには、稼働中の原発については停止させることがもっとも有効な手段であることは疑う余地がありません。地震が引き金となって川内原発が重大事故を起こせば、放射能からの避難は全く不可能です。同時に鹿児島県の策定した広域避難計画などは、実行できないことは火を見るより明らかです。

今回の地震の被害を踏まえて、川内原発の運転を即刻停止するよう、強く要請します。