原発被害者相双の会 会報122号が届きましたので、転載いたします。

2022 年 3 月 7 日、最高裁第三小法廷が、東電の上告受理申立てを棄却 し、不受理とする決定をしました。
その結果、私たちが 2020 年 3 月 12 日に得た仙台高裁判決の勝利が確定しました。
仙台高裁判決の第一の特徴は、東電の「悪質性」を厳しく指摘したも のでした。
また、不満の残る慰謝料ではあるが、地域に応じて、一人 120 万円から 250 万円の慰謝料が支払われることになりました。
この裁判は、2011 年 3 月 11 日の福島第一原発事故のために、避難指示による強制避難を強いられた福島県相双地域の住民 216 人が、東京電力を被告として、「故郷の喪失(剥奪)」等に対する賠償を求めて提訴 したものである。
「復興」の宣伝ばかりが強調される中で、被害の長期化・深刻化という現実を明らかにして、生活再建を可能とするだけの正当な賠償を実現することを目的にした闘いでありました。
仙台高裁判決定にともない東電へ謝罪を求めようやく実現することとなりました。

謝罪
2022 年6月5日
福島原発避難者訴訟第一陣原告団の皆さま

東京電力ホールディングス株式会社
代表執行役社長 小早川智明

原告の皆さまに対する謝罪について

当社の起こした事故により、皆さまのかけがえのない生活やふるさとにとても 大きな損害を与えたことにより、皆さまの人生を狂わせ、心身ともに取り返しのつかない被害を及ぼすなど、様々な影響をもたらしたことに対し、心から謝罪いたします。
誠に申し訳ございません。

当社事故の避難指示により、着の身着のまま、状況も不透明な中で緊急的に避難されたことや、慣れない土地での生活に対する大変なご苦労をおかけし、いつふるさとに戻ることが出来るのかといったご不安など大変な苦悩を抱えられたこと、また、いまだ当社事故による爪跡は大きく、11 年の歳月が経過しても、まちの風景や情景が元に戻っていないことなど、事故による被害の甚大さについて、事故の当事者として、その責任を痛切に感じております。

当社は、あのような大きな事故を防げなかったことについて、深く反省しております。
そして、社員に対して事故の反省と教訓を伝える研修などにより、事故の事実と向き合い、福島への責任を果たす覚悟と安全に関する意識の改革について、世代を超えて引き継ぎ、人が変わっても、これを企業文化として根付かせるべく取り組みを進めております。

また、一人でも多くの方にご帰還いただくことができるよう、福島の復興に向けた取り組みに注力することこそが、事故の当事者である当社が果たすべき「福島への責任」であると考えております。
当社は、引き続き、地域の皆さまとよくご相談させていただきながら、帰還および地域の復興に向けた活動を進めてまいります。

今後、特定復興再生拠点の避難指示解除など、復興のステージが進み、避難されていた方々のご帰還、なりわいや地域コミュニティの再建・再生が進んでいくことに応じ、当社に求められる役割も変 わっていくものと考えており、地域の皆さまからのご要望をつぶさにとらえ、当社で何ができるかを常に探しながら、一 人でも多くの方々のお役に立てることを実施すべく、真摯に取り組んでまいりたいと考えております。

当社にとって、「福島への責任の貫徹」 が最大の使命であり、その責任を果たすために存続を許された会社であることを社員全員が改めて肝に銘じ、福島復興本社代表の髙原とともに、主体性を持って全力で取り組んでまいります。

謝罪を受けて

仙台高裁判決後に東電交渉を数回行い 謝罪を求めてきたが、福島第一原発事故の被害者に対し、「ご迷惑をおかけして申し訳ございません」と表明するものの謝罪に対して「加害責任を認めて謝罪する」ことを断固として拒否してきた。

最高裁へ上告不受理となって被害者に対する謝罪を行うべき「社会的・道義的な責任」を、加害企業として無視できなかったからであろう。
しかし、東電はその後の第2陣原告団以降の避難者訴訟では争う姿勢を崩していない。
南相馬原発集団訴訟は仙台高裁の和解案に対し東電は拒否している。
このような姿勢であることからすれば「心か らの謝罪」であったのか疑わざるを得な い。

原発事故に伴う避難などを要因とする関連死が 2,333 人、被害はこれからも続く、放射性物質で最も拡散されたセシウム 137 は半減期 30 年となれば元に戻るには約 300 年を要します。
また内部被ばくされた方々は何万人と存在しますから 健康被害が心配されます。

それにも関わらず東電のトップである社長がどんな要件が重なっていようが自ら謝罪に駆けつけることは常識、謝罪文代読とは被害住民を馬鹿にした対応である。

原発事故 国の責任認めず不当判決


2022 年6月 17 日最高裁は4件の集団訴訟に対し国の責任を認めない判決、 ただ 4 人の裁判官のうち一人は国の責任を認める反対意見を述べられました。
「想定外の津波であったから、対策を仮に設置しても事故は防げなかったとした」。
日本の司法は対策を怠った国の代弁でしかないのかと憤りを感じざるを得ない。

そもそも原子力発電は国民の命と健康を脅かす危険性の高いことはご承知の通りであると思います。
原発政策は血税を使い「国策民営」で進めてきたではないか。
司法が国の責任がないなどという判断は裁判官として失格であろう。

正当な裁判官は、国の規制権限は「原発事故が万が一にも起こらないようにするために行使されるべきもの」と強調した。
信頼性が担保された長期評価を元に事故は予見でき浸水対策も講じさせれば事故は防げたと指摘した三浦 守裁判官へ心打たれた。

報告する馬奈木弁護士(最高裁前)

おら、もう逃げねえ。ここで死んだ方がましだ。
(相双の会 会報 No,120 から)神戸の皆さんからの投稿

2013 年 5 月 18 日(2 泊 3 日)に国分さんの案内で熟年者ユニオンとして浪江町を中心に視察と交流をしたことを思い出しました。
ニュースの写真を見て記憶が蘇ります。
今ウクライナ問題では、毎週木曜日神戸三宮で行っている集会で「反戦歌」で訴えています。(写真 5 月 5 日)

私はウクライナ国民も福島県民も「故郷を奪われたのは一緒」だと思います。
戦争が終結すれば故郷に帰れますが、そこには破壊されつくした街が残っています。
しかし、放射能汚染はありません。
2 月 24 日、チェルノブイリ原発地域に侵攻したロシア兵士が、汚染された地域で被爆し国に帰って治療していると聞きました。
それが本当ならロシア兵も戦争と原発事故の被害者です。

私は阪神淡路大震災を経験し、約 10 年間まちづくり協議会の会長を務めました。
10 年間、 行政という厚い壁を体で感じてきました。
仕事では、電話の修理で神戸市内を回っていましたが、ある木造家屋に入り修理していますと余震でかなり揺れました。
そこには一人暮らし の年老いたおばあちゃんがいました。
「おばあちゃん!逃げよう!」と声を掛けましたが、「私が生まれたこの家で死んでもいい。」 と言って逃げませんでした。
仕方なく私も余震 が納まるまで一緒にいました。
その後、仕事を 終え別れました。

「おら、もう逃げねえ。ここで死んだ方がましだ。」との言葉は、ウクライナの戦闘地域で 高齢者が逃げないのも分かります。
戦争も原発事故もそんな状況をつくりだしているといえます。

だから、「脱・原発」であり「反戦」の声を拡げ、今の政治を変える力をつくって行かなければ、子や孫の時代にもっとひどい状況が生まれる。
そんな心配をしています。
熟年者ユニオン 横林賢二 73 歳

是非ご投稿をいただき「声」として会報に載 せたいと考えています。
匿名でも結構です。
◇電話 090(2364)3613
◇メール(國分)
kokubunpisu@gmail.com

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