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報告:上映会「遺伝子組み換えルーレット」

報告:上映会「遺伝子組み換えルーレット」

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遺伝子組み換え食品の危険性を長く提唱し続けている米国のジェフリー・M・スミス 氏が監督して制作したドキュメンタリー映画「遺伝子組み換えルーレット」の上映会を7月13日に船橋市勤労市民センターで開催いたしました。映画上映後、「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」代表の天笠啓祐氏に解説、講演をお願いいたしました。

その内容を掲載いたします。

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今、アメリカで起こっていること:天笠啓祐

遺伝子組換え(以下GM)とは生命の設計図の書き換えをする行為であり、今は組み換えることができないので他の生物の遺伝子を入れて新しい性質を持たせるのがGM技術です。

現状はどうかと言うと日本人が今、一番GM食品を食べているのではないでしょうか。この映画『遺伝子組換えルーレット』は初めてGM食品の安全性に焦点を絞った映画です。環境に悪影響を及ぼしている事実やある企業が種子独占、食糧支配をしている現実も描かれていました。

2015年右肩上がりに増え続けていたGM作物の生産量が減少しました。これはアメリカのバーモンド州でGMの食品表示が始まったことが要因です。アメリカでは画期的な事でバーモンド州で流通している商品に表示することで他の州でも表示されているものが売られることになりました。罰則が厳しいため、より厳格な表示が求められました。消費者はGM表示のあるものは買わなくなり、作る方もGM作物を原料に使わなくなり、生産量が減少したのだと言われています。

現在、日本で流通されているものは大豆、とうもろこし、綿実、菜種です。そのほとんどが食用油として売られています。形態は全部種で輸入されています。それを絞り油にし、その油を使ってマヨネーズ、マーガリン等で販売されています。大豆の場合は醤油、とうもろこしはコースターチとして、綿実油はそうめんに多く使われています。

GM作物の性質は除草剤耐性と殺虫性の2つ、そして両方の性質をもつものがあります。除草剤耐性は文字通りラウンドアップ等の除草剤に抵抗力をもち枯れなくなるもの、作物自体が殺虫成分をもつものです。外見はほとんど変わりませんが中身が大きく変わっています。

日本の自給率、輸入先の国を考えれば日本人が一番GM食品を食べていることになります。この事実を意外と知らない人達が多いと思います。何故かと言うと表示がないからです。表示義務がないから使っているのか、使っていないのか分からないのが今の日本の現状です。現在表示を見るものは、豆腐、納豆、味噌程度だと思います。油など大半が表示対象外になっています。中国、EUなどは全食品表示になっています。世界の流れは全食品表示が主流になりつつあります。油であろうと、何であれ表示しなければいけないのが全食品表示です。上位3品目などの限定があるのは日本だけです。4品目から表示義務はありません。そして5%まで混入が許されているのも日本だけです。カップ麺などは表示されていませんが多くのGM食品が使われています。

GM作物の会社【モンサント(米国)デュポン(米国)等】に種子が支配されています。巨大多国籍化学企業が食糧を支配しようとしている状況です。新しい状況としては『GMりんご』が承認され、流通も始まりました。皮をむいても変色しないりんごです。中身を守るために変色するという自然の摂理をGM技術によって変えていきます。次々とGM果物が開発され、ベータカロチンが多いGMバナナの商品化が一番早いと言われています。GM鮭も承認されました。これは普通の鮭にキングサーモンの成長ホルモンをつくる遺伝子とゲンゲのずっと成長ホルモンを分泌する遺伝子を組み込み巨大化させるものです。これも大きな問題があると聞いています。

GM作物は生物の多様性を壊し、有機農業、食の安全を脅かしています。GM作物の自生という問題です。現在日本ではGM作物は作ってはいませんが、いろいろな場所に自生しています。種の状態で輸入されるので輸送の途中に落ちることがあります。そこで自生するのです。菜種の場合ですと同じアブラナ科の作物と交雑する危険性があります。アブラナ科は大根、白菜、小松菜、ブロッコリーなどの野菜が多く、実際にブロッコリーと交雑したものも見つかりました。

アメリカで問題になっているのは殺虫毒素の効かない害虫や除草剤が効かない雑草が増えて、殺虫剤や除草剤の使用量が増加している事です。動物実験でGM食品を与えることにより異常な状態になったり、人間への影響が報告されています。一方EUでも動物実験で様々な問題が起きていることも分かりました。2009年アメリカの環境医学会で過去の動物実験を分析したところ3つ問題点が出てきました。一つは免疫システム悪影響を及ぼすこと、二つ目は生殖系や出産に関して孫、ひ孫の代になると数の減少や健康に問題がでること、三つ目は解毒臓器(肝臓と腎臓)を傷つけていることがわかり、GM食品の流通を止めるべきだと提言をしましたが受け入れることはありませんでした。しかし流通を認めるのならば表示はすべきだという働きかけがバーモンド州の表示につながったのではないかと考えています。

またカナダの大学病院の調査では妊娠している女性の方が影響を受けやすい報告やフランスの大学の動物実験では癌が大きくなるというデーターも発表がありました。GM食品に対して警告が多く見受けられます。EUではGM食品の流通もほとんどなく、ドイツやフランスなど栽培禁止国も多くあります。アメリカでは知る権利を掲げて表示運動が全国に広がってきています。日本でも声を上げていく必要性があります。

GM食品の避ける方法としては、食用油で、コーン・大豆・菜種・綿実以外のものを使う、

国産、輸入品の場合は有機のもの、GM作物・GM食品を扱っていないところから購入するようにする。加工食品は中身が分からないものが多いのでなるべく素材からつくる。輸入食品を減らして国産で旬のものを使用することが環境を守ることに繋がります。

 

GM食品を食べると色々な病気が増えている?その因果関係は?…GM食品を食べなくなったらどう変化したかの症例を多く集めている段階で結果が出ているとは言えない。その因果関係も分かっていない。

何故、日本人が一番GM食品を食べている?…日本の食糧自給率の低さが一番の問題。さらにGM作物を一番作っているアメリカからの輸入量が多い。

日本ではGM作物が栽培されている?…栽培されていません。

日本での不妊とGM食品の関係性の調査?…全く行われていない。

遺伝子組換えと品種改良の違い?…遺伝子組換えは他の生物の遺伝子を入れる。品種改良は同じもの同士を掛け合わせる。自然の摂理に合っている。

日本の粉ミルクには遺伝子組換え由来のものが入っている?…間接的な問題になっている。牛の飼料がほとんどGMのものです。

日本政府はGM食品をどう思っている?…残念ながら推進しています。消費者からの働きかけが大切と考えます。

現状と今後の行動?…安全な食を守るために安心できるところで購入すること。大事なことは知る事と知らせる事。

GM鮭について…GM鮭はまだ流通していません。切り身として販売する予定。

遺伝子組換えイネ…愛知県とモンサント社の共同開発で行う予定だったが中止になる。

腸に穴があく?…GM作物のBt毒素(Bt毒素は虫の腸に穴をあけて殺している。それが人間でも起きている)のせいと言われていますが、私は抗生物質のせいと考えます。抗生物質が腸を守っている有用な腸内細菌を殺してしまい腸に穴があく現象が起きていると考えます。Bt毒素も原因の一つかもしれませんが腸内細菌を殺している事が一番の問題点と思う。

医薬品にも使われている…医薬品と食品の大きな違いは安全審査がきびしいこと。医薬品は臨床実験(動物実験)を経て承認される。現在GMの医薬品は大きな市場になっていますが安全審査がきびしいため、その被害の実例はまだ聞いていない。なおかつ病気の人が対象なので一部の人間が使っているからかもしれません。食べ物の場合は基準も甘く、多くの人が食べていますので危険性は大きなものになると思います。

 

2016年7月13日 講師:天笠啓祐氏 於:船橋市勤労市民センター

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